《白い猫》 ピエール・ボナール

ボナールは白い猫がきゅーっと背中を丸めるしぐさをゆがみを使うことによってユーモラスな姿で創作されています。足をふんばって強く丸め、首をひっこめ、なんともいえない表情をしているこの不思議な動物は、飼いならされたようにも野性的にも見えます。ボ…

《モスローズ》 ルノワール

モスローズというのは、つぼみに苔(Moss)のような腺毛がついたバラで、日本では「苔薔薇」と呼ばれたオールドローズの品種です。突然変異で誕生し、ビクトリア時代に流行したバラとしても知られています。花言葉は、「尊敬、愛の告白、無邪気、可憐、崇拝…

《黄色いコンソール》 ラウル・デュフィ

ラウル・デュフィは音楽家の一家に生まれました。父親は会計士として勤めの傍ら、教会の指揮者でオルガン奏者、母親もヴァイオリンを嗜むという音楽好き一家の中で育ち、感性を宿しました。 弟二人もプロの音楽家であり、そのうちのひとり、ガストンはフルー…

《夜会》 ジャン・ベロー

まばゆいランプ、重厚感のあるドレープで飾られたヴェルミヨン色のカーテン、その間には奥行の広がりを映す鏡、天井にはきらめくシャンデリア。豪華絢爛な広間でくり広げられる、パリが繁栄した華やかなベル・エポック時代の舞踏会の様子が精密に描かれてい…

《大きな赤い室内》 アンリ・マティス

作品タイトルに「大きな」とつく通り大きめのキャンバスに、全体に広がる強烈な赤の色彩が飛び込む作品。一瞬奥行きが分からず平面と思いきや、2枚の絵画がかかる壁は、床と直角に交わり、空間構成をなしています。 アンリ・マティスは生涯にわたり、アトリ…

《アルジャントゥイユのレガッタ》 クロード・モネ

ボートは1830年頃からパリ郊外を中心とした地域圏、イル・ド・フランスで人気になりました。レース用のボートは、セーヌ河が拡張したため1850年からアルジャントゥイユで競うようになっていきました。パリと鉄道で繋がったことで一層アルジャントゥイユには…

《樹々の下の薔薇》 ギュスターヴ・クリムト

Roses under the Trees この作品は、クリムトが1904年と1905年の夏のバカンス中に訪れていたアッタ―湖畔(オーストリア)のリッツルベルクと呼ばれる城のある島で描かれたものでした。クリムトの作品は230枚のうち50枚が風景画で、そのほとんどが頻繁に訪れ…

《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 ルノワール

Dance at Le Moulin de La Galette この作品は、1870年代に描かれたルノワールの最も重要な作品で、1877年の印象派展に発表されました。画面には、ルノワールの友人や知人たちが登場しますが、ここで画家の主たる目的は、モンマルトルの丘で人気だった、野外…

《黄金の島》 アンリ=エドモン・クロス

Les Iles d'Or [The Golden Isles] 「海が手前に、そしてマウレの山脈、そして遥かかなたには、そのあまりの美しさに人々が“黄金の島”と呼ぶイエールの島々が見える […]山の連なりには地平線が海岸の曲線に沿って広がり、黄色い砂が光できらきらしている…」 …